2015年12月11日農業で活躍する自然エネルギーシンポジウム無事終了しました。
年末にも係わらず全国から大勢かけつけいただき有り難うございました。
冒頭、ソーラーシティー・ジャパン 代表理事上岡裕よりご挨拶。
発足当時から震災を経て今日にいたるストーリーを簡単にご説明させていただきました。
タイトル通り自然エネルギーの農業活用を研究、実践している4名の専門家にご登壇いただき、お時間の関係上各人15分程度のご紹介をいただきましたが、やはり15分くらいでは短か過ぎてそれぞれ1時間は欲しいくらいでした。
トップバッターは農業・食品産業技術総合研究機構島崎昌彦さん。 「独立電源で手がけるみかん農園の取りくみ」を。
日本の柑橘類NO1のみかんを通常売価の倍以上の価格で売れる非常に美味しく育てる“マルドリ方式”と呼ばれる自動点的給水農法を採用する。
しかし、みかんは山で傾斜地が多く、電源確保に難しい。そこで、小さい太陽光パネルと、バッテリーを使い小さなポンプを動かすことに成功しました。
その他にも平地での灌水農法や牧草地の電気柵の電源を利用して牛へ給水する仕組み等をご紹介いただきました。
つづいて日本植生株式会社環境緑化部平田賀彦さんからは 「防草とセットで自然エネルギーに新たな価値を!」を。
あくまでも防草がメインでその相乗利用として太陽光パネルがくっついているということを強調。
結晶系やアモルファスと比し、確かに面積当たりの発電量は半分くらいだが、それらに無い様々なメリットをご紹介。
今でも結構問題になっている山を切り崩してパネルを設置するが故の景観問題や万一の土砂崩れリスクが解決していない。
ところが防草発電シートなら地盤面に直接貼るので視界としては景観を損なわずに、更にそもそも地盤安定化を目的ともしているシートなので土砂災害リスクも逆に軽減出来ると。
今現在はビニルハウスでの使用や様々なシーンでの提案を展開中。山口県が非常に積極的に取り組んでいる。
その後の名刺交換・情報交換会では大勢の方から質問攻めを受けてモテモテの平田さんでした。
3番バッターは株式会社環境デザインラボの上竹達哉さん。 「温暖化による高温障害に水の力を活用」を。
元ソニーの社内ベンチャーからそのまま起業して3年目に。その技術は水道圧を利用した濡れないミスト。
これをハウス栽培では冷却用や加湿用として。また、夏の屋上や道路へ小さい太陽光パネルだけで冷却も可能だと。
ポイントは水道圧だけでミストをつくるので小さいエネルギーで発生させる事が可能で、地下水や雨水を使用すれば完全自然型の持続可能なシステムであると。
東京オリンピックに向けてあらゆる場面で応用が可能なとてもローテクで理想的なシステムだと感じました。
トリは千葉エコ・エネルギー(株)・ソーラーシティー・ジャパン 理事の馬上丈司さん。「ソーラーシェアリングと農村社会」を。
2013年3月農水省の許可がおり、そこからスタート。農作物をつくりながら、同時に太陽光パネルで発電もさせる。ただし、そもそもの農作物収穫に支障をきたしてはならない、電源装置は撤去可能な物とする、FIT対象、制度上小型風力も対象、2015年夏現在で400カ所設置、その半数が千葉県、等々概要をレクチャー。
更に、
耕作放棄地の営農再開の契機へ
売電収入を農業者のダブルインカムに
地方のエネルギー自給と食糧自給の両立
バイオマス複合型のエネルギー生産
農業設備の一つという位置付け
作物の収量増加や品質向上
農作業効率の改善に貢献
というようなことからも、魅力たっぷりなソーラーシェアリングのお話でした。
その後第二部へ。
4名のパネラープラス上岡代表がファシリテーと。
全国から再生可能エネルギーの普及啓発に尽力されている参加者も数名それぞれの活動をお話しいただきました。
会場からの質問をはじめ、これまら時間が足りないくらいの盛り上がったパネルトークとなりました。
農業とエネルギーが自立すればその多くを輸入に頼る我が国ニッポンの自立にも繋がりますし、地産地消は食だけでなくエネルギーも実現させていかなくてはなりません。
もっともっと大きな広がりで一日でも早くそういう社会を実現させていかなくてはなりません。
ソーラーシティー・ジャパン は日々このような活躍をし続けている方々をより多くの方々と結びつけるべく、自然エネルギーの人と人のプラットホームです。
そして、お楽しみ懇親会も参加率が8割超え!志を同じくする全国の方々がたくさん楽しい会話で締めくくっていただきました。
本当に有り難うございました。
来年も同じ時期に企画させていただきますので来年も宜しくお願い致します。
また、今回ご参加いただけなかった方も是非例年はお待ちしております。
(文/吉田登志幸、写真/大和田正勝)
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